妻文学
松尾スズキさんの「東京の夫婦」を手に取ってから、夫婦話づいている。
最近読んだのは、「働けECD」と「私の絵日記」
働けECD わたしの育児混沌記 (ミュージック・マガジンの本)
- 作者: 植本一子
- 出版社/メーカー: ミュージックマガジン
- 発売日: 2011/08/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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の二冊。
「働けECD」は、今年読んだ本で間違えなく3本指に入る「家族最期の日」や「かなわない」を書いた植本一子さんの最初の頃の作品。
そして、働けECDの中で植本さんが紹介していて知った、つげ義春さんの奥さんである藤原マキさんの「私の絵日記」。
両方とも、まぁここまで隠すこと無く生活をつづるなと。
「働けECD」では、その日の支出や月収の事も書いているし。
「私の絵日記」では、つげさんのうつ病に触れている。
2つの夫婦の共通点は、どちらもクリエイターということ。
植本さんは写真家でECDさんはラッパー。そして、藤原さんは状況劇場の役者でつげさんは漫画家。
普通の人にとっては、淡々とした日々かもしれない。
でも淡々な日々を他人に見せるとなると、自意識が働いてしまい、
少しでも飾りたくなる、そして逆に書くことがないと筆を折ってしまう。
だけど、2人は違う。
その日あった自分の感情もそのまま吐露するのだ。
もちろん、多少の抑制はあると思うけど、文字のままベースとしては赤裸々な日記。
文面だけ見ると、決してうまくいっている夫婦ではない。
でも、それぞれの形でしっかりと愛し合っているんだなと節々に感じる。
ただ、一つ忘れてはいけないのは、それぞれの筆者の主観で綴られた本であるということ。
「私の絵日記」のあとがきにある、つげさんの言葉にはっとする。両者ともしっかり言い分はあるものだ。