文化系の日々

日々の雑記

東京の夫婦 | 松尾スズキ

近頃、結婚に興味がある。

気になる人ができたせいかもしれないが、今までの自分には見られなかった心境の変化。

そんな最中に、

東京の夫婦 | 松尾スズキ

を読んだ。

 

東京の夫婦

東京の夫婦

 

 

 

雑誌GINZAでの連載をまとめた一冊で、松尾さんの2回目の結婚、相手は20歳年下と、いろいろと思うことがあるだろう結婚の日々が綴られている。

読み終えた今日は、松尾さんのお気に入りの紅生姜天そばを富士そばに食べに行ってしまった。

東京の夫婦というタイトルの通り、いわゆる田舎、大都市圏以外では、このような結婚もしくはパートナーシップが容認されづらいだろうことから、東京の夫婦というタイトルにしているのかもしれない。

子どもは作らない、そして年の差婚という字面だけでもなかなか難がありそうな気配が漂うが、それはまわりが勝手に思うこと。文章で触れる限りは、とても素敵なカップルなんだろうなと思う。

なんで、この本に琴線が触れたかというと、子どもをつくらないという決め事にとても共感したから。私自身も結婚には興味があるが、自分の子どもを持つことに興味がないし、ないから想像もあまりしたことがない。人の子どもをあまり可愛いと思えず愛せない、そんな自分の子どもも同じように愛せる保証などないし、どうなるんだろうという不安しか正直ない。それがわかりやすくこの本では名文化されていて、とても共感した。もちろん全てのエッセイ、独特なゆるさがある素敵なエッセイたちになっている。

 

こうして夫婦の話を読んでいたら、

川本三郎が書いた、"君のいない食卓"を思い出した。

 

君のいない食卓

君のいない食卓

 

 

以前読んで、なぜかずっと心に残っている本で、タイトルから分かるように"君"(川本さんの奥さん)が亡くなり、食事を通じて喪失感を綴った一冊。

久しぶりに読み直して見ようかな。